わが屋戸の夕影草の白露の消ぬがにもとな念ほゆるかも 笠女郎(巻4・594)

ひた走るわが道暗ししんしんと怺へかねたるわが道暗し 斎藤茂吉

陸奥をふたわけざまに聳えたまふ蔵王の山の雲の中に立つ 同上

最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも 同上

最上川の上空にして残れるはいまだうつくしき虹の断片 同上

歯をもちて割るはしばみの白き実を従ひてくる妻に食はしむ 同上

汝が触るる夕影草の露けしや 

汝が包む夕影草の露けしや

束ね持つ夕影草の露けしや

包み置く夕影草の露けしや

包み持つ夕影草の露けしや

慰むる心はなしに雲隠り鳴き行く鳥の哭(ね)のみし泣かゆ 山上憶良(巻5・898)

ゆく雁の沖雲隠れ茂吉の忌

ゆく雁の灘雲隠り啄木忌

かりがねの灘雲隠れ賢治の忌