捕虫網背伸びの吾子を支へけり

ビーチボール青空に吾子跳ねにけり

ビーチボール青天に吾子跳ねにけり

目を擦る吾子の手を引く御慶かな

腕に抱く夜泣きいつしか眠る春

抱きしむる夜泣きいつしか睡る春

春の夜の夜泣きいつしか眠り落つ

潮騒に睡り足らひぬ秋遍路

明易し腕に抱く子の睡り落つ

腕に抱く子の睡り落つ良夜かな

腕に抱く子の睡り落つ十三夜

抱く子や草市に手を振りながら、

抱く子と手を振り合へる金魚売

抱く子と手を振り合ふや苗木売

虫売の抱く子と手を振り合ひぬ

つづれさせ夜泣きいつしか眠り落つ

短夜や寝言の吾子の目をこすり

秋深し指より落つる弥次郎兵衛

短夜の目をこする子の寝息立つ

手毬つく吾子の初東風誘へり

吾子のつく手毬外れたる夕焼かな

大西日子のつく手毬外れにけり

子の手毬外れゆく夏を惜みけり

子の手毬外れて初東風至りけり

短夜やねむたき吾子の目を撫づる

海光を眩しむ吾子や鯉幟

海光を吾子の眩しむ鯉幟

欠伸せる吾子の手を引く御慶かな

目を擦りながら喃語の御慶かな

まなじりをこする喃語の御慶かな

眦をこする喃語の御慶かな

まなぶたをこする喃語の御慶かな

まなぶたをこする吾子引く御慶かな

子にかへすことばをえらぶ夜長かな 

子のことば受け止めてゐる夜長かな

子にことばゆつくり返す夜長かな

 息止むるあと泣初となりにけり

泣初のはじめは息を止めにけり

膝の子の足遊びゐる端居かな

膝の子の足を漕ぎゐる端居かな

膝の子の足漕ぎゐたる端居かな

膝の子の両足を漕ぐ端居かな