西行

波にやどる月をみぎはに揺り寄せて鏡にかくる住吉の月

渚まで波間の月を揺り寄せぬ
月宿す波を渚に揺り寄せぬ。

漕ぎ出でて波間の月を揺り寄せぬ
月宿す波揺り寄するオールかな
月影の波引き寄する
夜振の火波間の月を揺り寄せぬ
鵜飼舟波間の月を揺り寄せぬ

曇りなき山にて海の月見れば島ぞこほりの絶え間なりける

過ぐる春しほのみつより舟出して波の花をや先に立つらん
弥生尽潮満つるより舟出しぬ
四月尽潮満つるより舟を出す