マルクス・アウレリウス 自省録 第三巻

六 もしおまえが人生において、正義、真実、思慮、勇気よりも、またこれを要するに、そのなかにあっておまえの精神がおまえをまっすぐな理性に従って行為する者となす事柄にあっては、己に満ち足り、¥選り好みの余地なく天から与えられるものには、運命に満ち足りるというこの満足よりも、勝るなにものかを見出すならば、おまえは全身を以てそれに向かい、その見つかった最高のものを享受せよ。七 信義にもとり、廉恥を捨て、ひとを憎み、猜疑を懐き、ひとを呪い偽善に走り、一種隔壁と遮断幕を必要とするものを欲求するようおまええを強いるであろうものを、自分に益或るものと考え大事にすることのないよう。

十 されば、すべてを放下しただそれら僅かなことのみを堅持せよ。そしてなお合わせて銘記せよー各人はただ束の間のこの現在のみを生きているのである。それ以外はすでに生き終えてしまったこと、ないしは、いまだ明らかならぬ不確定の事である。

もし以下のごとき態度を以て生きるならば、おまえは幸福な生を送ることになろう。すなわち、正しい理性にしたがって、真摯にして雄勁、ひとへの善意にあふれつつ現在の務めを果たし、なさずもがなのことは許さ…なければ。さらには以上の事をなすにあたり、他に何も期待せず、かといって回避もせず、かくしてただ「自然」に即しての現在の仕事と、おまえが言いそして口にすることどもの真実さの二つに満足するならば。

しかも以上の生き方を妨げうる者など世に一人として存在しない。

十四

されば、おまえの生の目的に向かって一路急げ。あだな望みは捨て、お前にとって自分が何ほどか大事なものと思われたら、自分自身を支援せよ、お前にできる間に。

十六 肉体、魂、知性。肉体には感覚、魂には欲求、知性には信条。