萩叢に光り浮き出す若芽かな 富安風生

朝寒のかすれ日あたる箪笥かな 皆吉爽雨

白魚といふ言葉さへ透きとほり 西上禎

機関銃熱キ蛇腹ヲ震ハスル 西東三鬼

赤く蒼く黄色く黒く戦死せり 渡辺白泉

友をはふりなみだせし目に雁たかく 長谷川素逝

友に似て黒き目の捕虜胸厚き 秋元不死男

傷兵を抱き傷兵の血に染まる 同上

桃史死ぬ勿れ俳句は出来ずともよし 日野草城

夏の海滾ち女の胸の上 伊丹三樹彦