my favorite things

整備された自転車、刈られたばかりの芝のにおい。トーストしたてのパン。仕立てた着物を待つ心持ち。

夜の東大寺。鼻をつんざくが、どこか優しい鹿のにおい。闇夜ですべてを見通す金剛力士像。池と遠くに見える本殿。80年間おたいまつを見て生きてきたご老人。

ちょっと頑張った後に同僚と飲む酒。

京都。白みその雑煮,ほっこりと口の中でとろける温かさ。青蓮院の楠,不気味な雄大さ。嘯月のわらびもち。大徳寺高桐院,不躾にだれもいない境内で寝転がる,読書。瓢亭別館の朝粥。一日の始まりが素晴らしいとよい一日になる気がする。ふたばの豆餅。南禅寺天授庵,時が止まる。一保堂の天下一、玉露の最後の一露。

智積院で読む枕草子。ツバメがつがいで舞う,1周しては池に口をつついてまた1周する。蝶はつがいで花の周りをたゆたう。さつきが風にたなびくさま。軒には蜘蛛が下りてきて,いつのまにか隣で庭を見ている。遠くで百舌鳥のなく声。東山に向かって西日が庭に差す。朝,下長者通りを御所に向き直った時の東山。

一人旅。地元の人との会話。手紙,ただひたすらに相手のことを思う時間。ピアノジャズとウィスキー,想い人とともに。

夜中にヘッドフォンをつけて聴く爆音のハードロック。心臓に響く。

寝静まった夜の散歩。等間隔の電柱。星空。黒猫。琴の音。

夜明け前の寮。開いた窓から聞こえるか聞こえないかくらいの外環を走る車の音。

宵は十六夜スーパームーン。樹林公園の体育館の真上に浮かぶ大きく丸い月。

午前2時半,だれもいない樹林公園。

水面で反射する日光が当たって、陽射しに透けていない葉に光のヴェールが波を打つ。泳ぐ木洩れ日、井の頭公園。

一昼夜,外に干した洗濯物からは夜の匂いがする。日曜日の午後。

たまたまとおりかかって入った店がおいしかったとき.

漣を数える宿。嫁とワインとチーズと高台家の人々。腕を組んで歩く老夫婦。