シャイニング スタンリー・キューブリック

ホラー・サスペンスの古典的名作。フィルムや特殊効果に限界を感じるが,些末な問題だ。

ストーリー

・冒頭の重々しい音楽と美しすぎるフィヨルドのロング。そこから徐々にズームがかかっていくさまは,これは何かあるな,と観客に思わせるには十分な入りだ。一瞬だけよぎるヘリコプターも違和感を与える。

・前半から嫌な感じだ。人肉のくだりが嫌な印象を与える伏線。

男の子の幻覚・幻聴は明らかなテーマを示す伏線。「先生」と言い出す下りは気持ちが悪い。これらを回収して237号室の伏線にもっていき,伏線から伏線へと次第に緊張感を高めていく。

・緊張感を与える音楽が随所に使われていて,何か来るぞと思わせて効果的。

・途中で父がイラつくシーンから物語は変わりゆく

・みんなが237号室を期待するところで,テレビのシーンを挟むとか秀逸だな。古典的だけど,ツボを押さえているよね。コメディリリーフ的な役割もある。

 ただ,明らかにあやしげなところにすんなり親父がなじんでしまうのはどうなのか。観客は感情を移入できないし,間延びした感じが否めない。もはや振り切ってトイレのシーンは完全に夢の世界っぽいのであり,デス13とか,フェデリコ・フェリーニさえ思わせる。と思ってたらやられた,ラストへの伏線だったか。

 母親が父親を倒すシーンは予想外。扉を三回ノックするのは古典的なやり方で,マクベスへの言及。父親の死の暗示。グレーディ家以外の幽霊はやりすぎ,キングが作り直したがるのも当然。本線とは言えない。

 ラストはしてやられた。

キャラクター

能天気で裏表のない父,煙草を変に吸う愚かでかわいい家庭しか知らない妻,少し変わった男の子,というのが冒頭で示される。

ハロランがいい味を出している。少し大げさな演技が引っ掛かるが。

冒頭の提示した像から父親が少しづつくるっていくのがいい。母親に一番観客は感情移入するが,彼女もやはりづれている。いつのまにか,観客は息子に助けを求めている。

テーマ・世界観

雪に閉じ込められた洋館というのは特異な世界。屋敷幽霊ってジョジョにもでてくるけど,元ネタはここか。時が止まっている。

シャイニング 特別版 [DVD]

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