自立

第1 介護と教育を例に挙げて自立を論じる 

介護と教育は,人を自立させるという意味で共通する面がある。

第2 介護の例

例えば,介護保険創設当時の苦い例として以下の例がよく引かれる。

転んで骨折したおばあちゃんが要支援2(要介護予備軍)の認定を受けた。

ソーシャルワーカーやケアマネージャーがやってきて,「あーおばあちゃんは坐ってて」といって,身の回りのすべての介護をしてしまう。

2年後の再申請時に,要介護2に悪化。

第3 教育の例

例えば,引きこもり系の生徒を集める学校で,生徒を立ち直らせようと教師が構いすぎる。

かまえば生徒によっては,依存度を深める。かまってほしがる。かまってくれないと,校長にクレームを入れたり,さらには教育委員会にまで言い出す。という例を聞く。親も暴れる子を止められない

第4 本人を中心に据えるとは

いずれの例も極端ではある。しかし,本質を含む。

(1)

まず,お祖母ちゃんの例は介護しすぎだ。本末転倒は火を見るよりも明らか。

(2)

次に,教育の例だ。なるほど,先生が生徒にそれでうまくいって感謝のお礼参りをしてもらえることが一番うれしいのはわかる。が,生徒はそれぞれである。すべての生徒にとにかく構えばいいというのは教師のエゴだろう。

(1)高齢者にとって,尊厳ある自立した生活とは,残存能力の活用ありきだ。ノーマライゼーション

(2)教育の本来の目的は学習の意欲を高め,一人で何でもできるようにするのが本来の目的である。

生徒に応じて,対応は変えねばならない。それが,個人に応じた教育というものだ。

(3)介護も教育も,自立した生活を送るサポートだ。いかなる人生設計を本人が組むか,その手助けとして何ができるか,という本人中心の発想が欠けた時,

いずれの分野も,周辺者のエゴが残るだけである。