酒と男と女 -シンガポールスリングの作り方を添えながらー 

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第1 シンガポール禁酒
  要するに,シンガポールでは,
  ①路上や公園での飲酒禁止!
  ②10時半以降の飲酒禁止!
  になるらしい!そんなものレロレロレロレロだ。

第2 残念である
 1 政策論としては理解できる
  なるほど,シンガポール国民の83%が賛成するのは,国益に資するという理由で十分納得できる。あの国は,資源は何もない小さな国であり,優秀な人材*1とマラッカの要衝にあることによる加工貿易,外国企業のアジア拠点の誘致,これらを複合的に絡めることで成功している国だ。
  だから,決してクリーンなイメージを崩そうとしない。*2ごみを捨てればかなりの額の罰金をくらうことはよく知られている*3。今回の禁酒もその延長線上にある政策である。
 2 水清ければ魚棲まず
  だが,高田馬場のカオスで大学時代を育った私としては,一抹の寂しさをぬぐえない。警官と裸で追いかけっこする学生,テニサーの嘔吐の数。ロータリーで眠る若者。クリーンでないからこそ,変わり者が多く育ち,そして面白い。人種のるつぼ。
  温室培養では,一定の高い水準をもった人材が育つ*4。しかし,突然変異は生まれにくい。種族を劇的に変えるのは,突然変異種である。突然変異種がいないと,ある国は変わりにくい。織田信長豊臣秀吉徳川家康然り,オクタヴィアヌスコロンブス・ナポレオン然り。
 
第3 ロング・バー
 1 シンガポール・スリング
  ところで,シンガポールを代表するカクテルと言えば,シンガポール・スリングだ。抽象的に禁酒反対の理由をくだくだと書いてきたが,夜10時半になったらこれが飲めなくなると考えると,どうしても禁酒には反対せざるを得ない。そこで生まれる出会いだってもしかしたらあるかもしれないのに・・・
  ちなみに,シンガポール・スリングとは,シンガポールラッフルズホテル*5の名所「ロング・バー」http://www.raffles.jp/singapore/dining/long-bar/
発祥のカクテルである。詳しくは,作り方とともに,PSを参照してほしい。

 2 思い出
  私は,旅先にて憧れのこのバーで,一人シンガポール・スリングを頼んで,卓上のピーナッツをむいていた。すると,金髪の若いお姉ちゃんが,耳元でささやいてきた。
  ・・・
  「ごにょごにょ?」
  ・・・
  (ささやかれたことにびっくりしたことはもちろん,こちとら英会話なんてできやしない)
  ・・・
  「失礼,なんて?」
  ・・・
  さらに囁いてくる。
  「トイレはどこかしら?」
  ・・・
  どうやらこういわれたらしい。
  私は
  「奥にあるかもしれないが,とりあえず外に出ればあるよ」
  と答えた。
  女は,さらに耳元でささやく。
  「案内してくれないかしら?」
  外に出ればトイレがあるのだから1人でいけばよいではないかw私は私の英語を理解してもらえないのかと思い,もう一度答えた。
  「外に出ればトイレは確実に見つかるはずだ」
  女は,「わかったわ。外に出ればいいのね」とさみしそうに言って去って行った。女が去った直後に運ばれてきたシンガポール・スリングを飲みながら,私は自分の言ったことを早速に後悔しはじめていた。
 

PS
シンガポール・スリングの作り方
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

*1:英語教育に力を注ぐことは有名だ。華僑が多く,中国語もバリバリこなし,さらにタミール語ないしマレー語をしゃべれることが多い。

*2:賢明にして,同国政府は「傷もの」というスティグマがひろまりやすいことをよく理解している。

*3:ジョジョの奇妙な冒険では,ポルナレフが自分の荷物を警官にごみと間違えられるシーンがある。

*4:他方で,その水準に達しないものは容赦なく切り捨てられていく。国としての包容力はあまりないのだろう

*5:日本でいうところの帝国ホテルのイメージ。今の帝国ホテルは少し敷居を低くした様子だが,ラッフルズは格式高さを保つようである