パラオ避寒旅行

・数へ日や靴音駅に響かせて

・寒紅や珈琲の香に人を待ち

・荒川に白球消へぬ黄蜀葵

・刎ねられし首と見紛ひ巴里祭

・鮮血をまとふがごとし石牡丹

・シャコ貝や動かざること岩のごと

・幼子の浮き立つ髪や大南風  

・人は人我は我なりサングラス

・黒南風や死せる珊瑚の島に立ち

・激津瀬も雲の切れ間も立夏かな

・クラッカー打ち急ぎけり年始

・手と足と揃ふ年賀のダンスかな

・闇をきるしぶきや寒の波のやみ

・初漁や星満ちわたるわたの原*1

・赤傘によつたり宿り海月かな

・光差すくらげも我も背中あり

・白南風に子を抱く母も眠りをり

・初鷗空行け我は海を行く

・さざ波の音を数へり年守る

・欄干に腰かける子や避寒宿

・白浮かぶ幹は禁忌か木下闇

・白南風はシャツをなびかせ皺目かな 

*1:湛える