万葉集巻11/2490 柿本人麻呂歌集

天雲に羽打ち付けて鶴来る 天雲に羽打ち付けて鶴ぞ来る 天雲に羽打ち付けて田鶴渡る*1 *1:たづたづしかも君しいまさねば

万葉集卷13・3295 作者不明

女郎花黄楊の小櫛を押へ挿す 月見舟黄楊の小櫛を押へ挿す けふの月黄楊の小櫛を押へ挿す 月今宵黄楊の小櫛を押へ挿す

耳当てて胎動を聞く良夜かな 耳当てて聴く胎動や寝待月 耳当てて胎動を聞く寝待月 耳当てて胎動聞きぬ草雲雀 胎動を耳に感ずる寝待月

新涼

新涼やペダル立ち漕ぐ男坂

団体交渉

春闘の条項記す女書記 春闘の条項記す手の早し 春闘や条項記す女の手 団体交渉女速記の汗ばめる 春闘の書記長の髭汗ばめる

庫裏出づるより初雪の京にをり 庫裏出づるより初雪の飛鳥なり

犬の日

安産の願の糸や貴船川 七夕や瀬風のかよふ貴船川

天蚕の葉隠れにし眠りかな 葉隠の蛾の蒼白し高嶺星 葉隠や天蚕青き眠りして 夕顔の葉隠の蛾の眠りをり 玉繭の朝の光を纏ふなり 朝霧の立つ谿川や蛾の生るる 残月に透く天蚕の眠りかな 月明に透く天蚕の眠りかな

蟷螂に後脚踏ん張る怒りあり 蟷螂の怒りて後脚踏ん張れる 蟷螂の後脚満つる力あり 蟷螂の後脚に立つ怒りあり 駄菓子屋の扉を出づるより飛蝗かな 駄菓子屋の子らに跳ね出る飛蝗かな 海彝打つや当り外れのあるアイス

稔田や花嫁来る散居村 稔田や花嫁歩む散居村 稔田や花嫁を待つ散居村 青き香の畦の精霊蜻蛉かな 夕映の百の代田や散居村 須萸の日の代田燃やしぬ散居村 落日に代田燃え立つ散居村 落日や代田潤ふ散居村 散居村千の代田の潤ひぬ 散居村千の代田に日の没りぬ …

能登路みな海に雪崩るる欣一忌

妻の腹膨らみにけり籐寝椅子

「あめ」の字の暖簾透き来る灯の涼し 兼六園坂下アスファルト灼けて 兼六園坂下雪花舞ひ初めて アスファルト灼けて加賀路のゆるぎなし 松籟の徽軫灯籠灼きて過ぐ 松影の徽軫灯籠灼くるなり 肌脱の撒く潮なれば弧を描きぬ 肌脱の撒く潮ならば弧を描かむ 岬端…

早稲

鮎釣や魚籠に跳ねたる水の音 鮎釣や魚籠をうちたる水の音

冷し中華

草いきれ婦人科へ途急ぎをり

芙美子忌の青き真弓の実なりけり 芙美子忌の青き檀の実なりけり

先生に礼状を書く涼しさよ

能登時雨・虹・向日葵

奥能登の潮の香高きトマトかな 奥能登の潮滴る冲膾 向日葵や高原は雲流れつつ 早稲咲くや雨の篠突く信濃川

珠洲塩田・白米千枚田・窓岩・輪島・キリコ・総持寺・杉森久英文庫・能登演劇堂・和島屋

朝市や路地に干さるる唐辛子 炎天の地や焼き残る影法師 朝市や時雨の濡らす石畳 総持寺の翌檜高し木下闇 片陰やたまゆら燃ゆる能登甃 総持寺の淡き翌檜月夜かな 禅院の淡き翌檜月夜かな 片陰の深き翌檜並木かな 赤松に波打ち寄する夏座敷 山門の影焼き残る極…

千里浜・九十九湾・能登ワイン・見附島・ランプの宿

舟虫の散るや月下の九十九湾 舟虫や月明宿す九十九湾 求愛の脊鴒羽を拡げをり つま恋の鴛鴦羽を拡げけり 夏潮や海猫沖を見はるかす 打ち寄する波音に覚む朝寝かな 海猫の声に覚めけり避寒宿 岬端に残月かかる避暑の宿 椿の実恋人の鐘打ち鳴らす 岬端の残月高…

金沢駅

肌脱や鉄骨に腰深く坐し 肌脱の潮撒くなり孤を描く 肌脱の撒く潮なれば孤を描きぬ 肌脱の撒く潮ならば孤を描かむ

兼六園・ひがし茶屋街

「あめ」の字の暖簾漏れ来る灯の涼し 兼六園坂下アスファルト灼けて 兼六園坂下雪花舞ひ初めて アスファルト灼けて加賀路のゆるぎなし 松籟の徽軫灯籠灼きて過ぐ 松影の徽軫灯籠灼くるなりそれぞれの松に影あり水馬 這松の水漬く影より源五郎 蚯蚓鳴くことじ…

浅間・水馬・妙義

青嶺聳つ 「あめ」の字の暖簾漏れ来る灯影 かな 夏の灯の「あめ」の暖簾を漏れ来る 水馬や妙義は雲の中に みすずかる信濃の山ぞ滴れる

春駒の白き鬣靡きをり 百合の香の高き揺籠ゆらしをり

競べ馬白き鬣靡きをり 春駒の靡く鬣真白なり

舞殿や摺足に去る夏袴

死する蟻曳き摺つてゆくありの列 蟻死にき隣のありに曳き摺らる 蟻死にぬ隣のありに曳き摺らる 蟻死せり隣のありに曳き摺られ

白桃のぬばたまの闇匂ひ来ぬ ぬばたまの夜の白桃の香り立つ 磐梯の夜や白桃の香り立ち

穀象・うどんげ

鴨翔ぬ涼しき蔵の深庇 穀象や星のごとくに散在し 優曇華や遠山影を湛へつつ