写真

黒羽

城山の淡き紫陽花月夜かな 山裾の淡き紫陽花月夜かな 紫陽花の色の定まる翁道 刑務所の門へ続けり薔薇の垣 額の花空堀に日の注ぎけり 刑務所の壁聳え立つ梅雨入かな*1 黒羽 *1:額の花

熱帯魚

雷匂ひ来ぬ寂静を先立てて 熱帯魚水は器に逆らはず 浮いて来い水は器に逆らはず

子蟷螂

蟷螂の逝きてなほ斧*1かざしをり 鎌かざすまま蟷螂逝きにけり 蟷螂の鎌かざすまま逝きにけり 枯蟷螂鎌かざすまま逝きにけり *1:鎌

夏椿・目高・青蔦・額の花・草城

青蔦や少年の開け放つ窓 青蔦や煉瓦の影の女の背 額の花師にも第一句集あり 青芝や水槽逆しまに洗ひ 水槽の目高に沙羅の花散れり [:

燕の子

近付きて燕の子らの啼き止めり 子燕の嘴ばかり犇めけり 子燕の嘴幾つ犇めくか

枇杷・麦の秋

空にもぐ枇杷の香りの双手かな もぎ来る枇杷の香りの双手かな 盗み見る父の技あり椎の花 受け継ぎし父の技あり椎の花

初夏の風のオープンテラスかな 更衣自転車に坂下りけり サルビアや自転車に坂かけあがり 梨花月夜病む妻の背を摩りけり 立ち漕ぎてスペイン坂の薄暑かな 立ち漕ぎて道玄坂の新樹かな 立ち漕ぎて道玄坂の夏木立 立漕ぎの道玄坂のシャツ白し 白シャツの少年坂…

ラーメン右京

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ロマンチック村・クーリルージュ

美味しいバスク料理であった。 揺籃の子の目の都忘れかな 百合甘ければ揺籠に括りけり 揺籃を揺らす指より夕焼かな 夕桜*1揺り籠に妻歌ひをり 夕焼や揺り籠揺らす歌ありて 揺籠をゆるゆる揺らす雪明り 揺り籠を揺らす指あり雪安居 雪蛍揺り籠緩く揺らしけり …

干鰈・忍冬・蕗

筑波嶺の水田曇りや干鰈 干鰈友の句集を開きけり かっこうや友の句集に指栞 忍冬友の句集の届きけり 蕗の雨妻の病に臥せにけり 蕗苦く妻は病に臥せにけり 鋭く遅く鉛筆削る暮春かな 干鰈見知らぬ人と語らひぬ 鋭く鈍く鉛筆光る日永かな 木犀の香る辻まで見送…

星満つる庖丁の刃や青胡桃 稲光爼に水流れをり 遠雷や午睡の父に妣なくて 墨西哥の叔母より旅信金魚草 墨西哥の叔母の旅信*1や金魚草 西よりの旅信届けり金魚草 金魚草西より旅信届きけり 浦上の鐘ゆるやかに種浸 友悼むやうに夕顔蒔きにけり 夜顔を蒔く友悼…

婚の夜や薔薇の花びら湯に浮べ 身動ぎもしえぬ病臥や水中花 病める子*1のせがむ*2リボンや水中花 *1:病む妹の *2:ねだる

綱町三井倶楽部20170502

湖畔*1までなだれて*2しゃがの花明り 忽然と出で*3忽然と消えて蛇 忽ちに出で忽ちに消えて蛇 黒揚羽全き影の間より 葛城の山毛欅の闇より黒揚羽 書き出だす草書の文や藤の雨 美濃和紙の行書の文や藤の雨 藤の雨草書の文を書き初む 勿忘草群れて一花は翳にあ…

平出

海棠や病む妻の髪梳り 海棠や病む母の髪梳り 草田男忌嘉永の家業継ぎにけり 長子家継がぬこの頃花エリカ 他家住めるわが生家なり花エリカ 他人住むわが生家あり花エリカ 分家棲むわが生家あり花エリカ 花エリカ長子家業を継がざりき 祖母逝くや咲き零れたる…

円山公園・知恩院・八幡・青蓮院・三年坂・高台寺

天鵞絨の絨毯のごと落椿 敷き満ちて絨毯のごと落椿 傘傾ぐ単衣の妻や二寧坂 駆け出して子ら滝壺に飛び込めり 初蝶や旅信の届く音のして 芽柳や産念坂に灯の入りて 鍵善の暖簾ふくらむ春の宵 円山の花散り初めて御忌の鐘 円山の花散りいそぐ御忌の鐘 円山の花…

仁和寺・法金剛院・妙心寺退蔵院・平安神宮・都をどり

枝垂桜しだるる空の静寂かな 仁和寺や雲居にまがふ夕桜 いづこより花の散るらむ御室道 保津川*1に花流れゆく知恵詣 花馬酔木叡山は雲寄らしめず 花馬酔木筑波嶺は雲寄らしめず 木瓜咲くや坂なだらかに御室道 木瓜咲くや御室の路のなだらかに 山桜谿深ければ…

綱町三井倶楽部0413

高階の窓に掛くる子花辛夷 高階に臥せる少女や花の雨 高階の窓の少女に初音かな 高階の病臥の吾子や花明り 風痛み窓打つ枝垂桜かな 少女臥す高階の花明りかな

浜離宮恩賜庭園

花びらの影に散りつぐ桜かな 花びらの影に花びら重なれり 草木瓜や離宮の風の在り処 連翹に陰影といふ重さあり 石楠花に陰影といふ重さあり 白木蓮に陰影といふ重さあり 花冷や溢れむばかり芋焼酎 菜の花や夫婦の一つ傘の下 四阿に腰深く坐す花菜風 春泥の飛…

0324綱町三井倶楽部

芳賀町

水論の果伝来の堰壊す 水喧嘩一家にて堰壊しけり 水喧嘩伝来の溝埋めにけり 水論の間取り持つ依頼かな

紅葉坂・ラテンダロッサ

妻長き髪にダリアを挿しにけり 花桐や祈り捧ぐる老牧師 青嵐時計の鐘の正午打つ 讃美歌の声響き合ふ立夏かな 羅や階に妻振り返り 白靴の新郎花嫁の下へ 祝福の十字切らるる夏はじめ 結葉や花嫁曲ぐる薬指 新緑や両手重ねて切るケーキ 帆船の港に入る日風車売

雛祭

雪洞に映るや雛の笛太鼓

綱町三井倶楽部0212

婚の扉の前や白百合胸に挿し 白百合を胸に挿し花婿となる 薔薇胸に挿して花婿と名乗りつ 薔薇胸に挿すや花嫁窓に待つ 薔薇胸に挿し花婿と名乗りけり 婚礼の道来る妻や風五月 戒壇に伸ぶる絨毯新樹光 婚礼の道歩む妻風五月 義父の手が妻の手離す蔦若葉 羅のヴ…

吉宗・眼鏡橋・亀山社中・或る列車・大村・ハウステンボス

寺町や仔猫右手に頬を掻き 猫の子の右肢頬辺*1撫でにけり 一湾の凪や寄居虫壜越ゆる 一湾の凪ぎて寄居虫壜越ゆる*2 薔薇の芽や皺刻まるる*3修道女 花冷*4の櫓上るや茶碗蒸 花冷や碧き蓋置く茶碗蒸 出島より遊女出で来ぬ木の芽雨*5 葬列や片栗の咲き続く坂 忍…

外海

老年はやがて自分がここから立ち去る日が来るが、自分がこうしてうまれたことが、自分を含めてこの地上で生きている全てのものは苦しんだり愛したり結びあったり別れたりして一人一人の人間であったことが、言い様のない懐かしさで感じられる。 遠藤周作 旧…

花園神社・日比谷公園・神楽坂

簪や梅が香に立つ神楽坂 琴の音や梅が香に立つ神楽坂 三味線や梅が香に立つ神楽坂 梅が香や簪揺るる神楽坂

レトロな鍵

錠前に差し込む鍵やリラ月夜

新春 砺波

立山に東雲兆す初手水 立山や曙光湛ふる*1初手水 門松や今朝の目覚の窓の雪 門開けしより初雀群れ飛びぬ 頂に氷雨降りけり初山河 越中に雪積りゆく初湯かな 順番を待つ初刷の日章旗 数の子や木目細かき椅子に坐し 新妻の寝息しづかに大旦 初旅や肩に荷物を引…

富山

石投げて遊ぶ親子や雪解川 足下に大河注ぎぬ大晦日 冠雪の山巓朱に初浅間深雪晴緋の山茶花の零れけり 新雪に緋の山茶花の零れけり 深雪晴山茶花深紅散らしけり 麦蒔や立山映す潦 冬耕や馬の足跡雨溜めて 冬耕の足跡夜雨降り急ぐ 冬耕の轍に雨の注ぐなり 八方…

栃姫・スカイベリー

冬苺玻璃の花瓶に水浸す*1 朧月玻璃の花瓶に水浸す *1:注ぎぬ