写真

毛虫

さくらんぼ

抱く子の仰け反りて摘むさくらんぼ をさな子の宙に仰け反るさくらんぼ 独り子の宙に仰け反るさくらんぼ妻の子を呼ぶこゑ韻く五月来ぬ 妻が子を呼ぶこゑ韻く五月来ぬ 五月来ぬ子を呼ぶ妻のこゑ韻く 五月来ぬ子を呼ぶ妻のこゑ韻き 五月来ぬ吾子呼ぶ妻のこゑ韻…

三瀧荘

広島

噴水に影なかりけり広島忌 噴水に影奪はれぬ広島忌 炎帝の影奪ひゆく広島忌 炎帝の翳奪ひたる広島忌 炎帝の蔭奪ひたる広島忌

宮島 満ち潮

まひ出づる舞台の青葉明りかな 巫女のまふ舞台に青葉明りかな 巫女のまふ舞台の青葉明りかな まひ出づる舞台に青葉明りかな 尉面の上向く青葉明りかな 尉面の下向く息の白さかな シテ舞の面の下向く息白し 尉面の両眼覆ふや息白く 群青忌弥山に鷹のこゑ降れ…

弥山

噴井より光湧きたるわが而立 噴井より光湧きゆくわが而立 噴井より光湧きくる而立かな 噴井より光湧きくるわが而立 噴井より光湧きたりわが而立 老鶯のこゑに径ゆく蝉丸忌 老鶯や尾根行けば尾根集まれる サムエル・ウルマン「青春」 青春とは人生のある期間…

宮島 引き潮

沢蟹や潮干に現るる能舞台 宮島や潮干に現るる月日貝 宮島や蟹沈みゆく忘れ潮 宮島や蟹上りたる能舞台 夏蝶や弥山明るき忘れ潮 夏蝶や水音明るき忘れ潮 鹿の子の脚濡らしたる忘れ潮

夜の宮島 その2

鹿の眼の波映しをり春の闇 弥山より闇覆ひ来る梅雨入かな 弥山より闇包み来る梅雨入かな 対岸の弥山滴る闇夜かな 落し角閻魔の闇に蠢きぬ 朧夜や先立つ鹿に導かれ 鹿の子や月に潮干く大鳥居 鹿の子やしほひに見えぬ沖の石鳥居より月の潮干く袋角 鳥居より夜…

夜の宮島

袋角わたなかを日の翳りゆく 夏の蝶わたなかを日の翳りゆく 蚊喰鳥わたなかを日の翳りゆく 青蛙わたなかを日の翳りゆく 浜豌豆わたなかを日の翳りゆく 花魁草わたなかを日の翳りゆく わたなかを日の翳りゆく蚊喰鳥 海中を日の翳りゆく蚊喰鳥 海中を日の翳り…

都井岬・日向灘

見通しの悪しき伝へつ鵙高音 灘深く馬肥ゆる岬牧水忌 岬端に馬肥ゆるなり牧水忌 都井岬の馬駆け抜けぬ牧水忌 都井岬の馬駆け寄らず牧水忌 岬端に馬駆けゆけり牧水忌 岬端に馬相寄らず牧水忌 岬端の馬相寄らず牧水忌 馬肥ゆる岬端蒼し日向灘 秩父町出はづれ来…

湯ノ湖

石楠花や遠嶺の奥に遠嶺聳ち石楠花や碧譚に手を浸したる石楠花や木の根を踏めば瀬の早み 行く春の故山の奥の故山かな 葉桜や故山の奥に故山聳つ

カルミア

大平山麓

冬ふかき森ゆく斧を光らせつ 草間時彦 朴咲いて細くはげしき流れあり 同上 肩の上の斧光らせつ夏木立 林間に斧光りたる新樹かな 斧光りつつ新緑の木立ゆく 子の顔に夏木のひかり縞なせり 山梔子の散るや瀬音の迅く深く 谿川の渓に落ち込むえごの花 谿川の水…

夜顔蒔く

雲匂ふ肌つたふ卯の花腐し 雲匂ふ草さやぐ卯の花腐し

種浸し

桐咲いて雲はひかりの中に入る 飯田龍太 合歓の花沖には紺の潮流る 沢木欣一 子の開く口に桑の実落としけり 桑の実の紅しずかなる高嶺かな 飯田龍太 ほてい草月の面を流れ過ぐ 福田田手汀 曇る日は曇る隈もつダリヤかな 林原禾井戸 芍薬の逢瀬のごとき夜があ…

一薙ぎに子の払ひたる小判草 田植機に手渡す苗のひかりをり。 親が子に手渡す苗のひかりかな。 喪の家を照らす苗代月夜かな 喪の家に灯ともしぬ苗代月夜 葱畑の青立山につづきけり 天地をつなぐ葭火の煙立つ 天地を充たす葭火の煙立つ 紫英花田や子の傅きて…

喪に服す

喪の家に代田の落暉つづきけり! 喪の家に代田のひかり届きけり

藤棚

緑蔭に影残しけり祖母を焼くあつきあつき骨壺懐く藤の昼。 白骨の千々に砕けぬ藤の雨 骨壺にほのかな温み 藤 の雨 骨壺を抱くぬくもり藤の雨。 藤の昼骨壺懐く余熱あり 時鳥骨壺懐く余熱あり ほととぎす骨壺懐く余熱あり 慈悲心鳥骨壺懐く余熱あり 白藤の垂…

砺波

遠雷の山裾出づる葬りかな 遠雷の山裾出でぬ葬りかな。 苗代や葬りの列の散居村。苗代や葬列ながき散居村 瓜の花骨壺懐く余熱あり

桐生・サイダー型栓抜き

烏賊釣火闇新しくなりにけり

佐保姫の息吹に開く塩むすび

端午

子の手引き夕風かをる菖蒲挿す 雲の峰電車ごつこの笛鳴らす 雲の峰電車ごつこの笛鳴りぬ 月つつむ雲明るしや林火の忌 月つつむ雲の明るし青葉木菟 手を引きて夜店に吾子の投げ輪買ふ 手を引きつ夜店に吾子の手毬買ふ 手を引くや夜店の吾子に買ふ手毬 手引き…

足利フラワーパーク

木洩れ日や藤の散り敷く切戸口。 木洩れ日や藤の散りゆく山上湖 白藤に手触れて幹の音を聴く。 滴りに触れつ深山の響き聴く 滴りに触るや孤山の響き聴く 青蔦を引くや虚空の音を聴く 青蔦を引くや深山の響き聴く 青蔦を引けば深山の響あり 青蔦を引けば太虚…

結婚記念日

砺波チューリップ公園

熊蜂や宙を飛びたる軽業師 蘖や吾子やはらかくあたたかく 子はやはらかしあたたかし肩車 肩車吾子やはらかしあたたかし 肩車吾子やはらかくあたたかく 子はやはらかしあたたかし手をつなぐ くすぐれる吾子やはらかしあたたかし 鳥曇潮満つるより舟出しぬ 花…

在原業平

世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし忘れては夢かとぞ思ふおもひきや 雪踏み分けて君を見んとは感情が溢れて言葉の流に身を任せる。そういう歌ほど美しいのだから矛盾している。(略)どのようにも解釈できるし、読むひとの心次第で、どこ…

春の虹

立山の影を毀ちて植田かな 。 立山の影毀ちたる植田かな 。立山に雲被きたる植田かな

包み込む吾子の手柔してんと虫

藤 山吹

残照に散り敷く溪の濃山吹 山吹の散り敷く峡の夕明り 鵺のこゑ岳麓の闇充ちにけり 散り敷きて溪の山吹明りかな 激津瀬を分かつ巌や濃山吹 激つ瀬を分かつ巌や濃山吹