俳句

松上げ・不知火

松上げの声もて神の火をおこす 不知火

西瓜

ひだまりの湧水に置く西瓜かな ひだまりの流れに浸す西瓜かな

葛の花

高館へ風吹き上ぐる葛の花 加藤知世子

新豆腐

返照の早瀬に浸す新豆腐 夕風の早瀬に掬ふ新豆腐 みくまりの夕風に沁む新豆腐 夕風の湧水に置く新豆腐 夕蒼き湧水に置く新豆腐 ひだまりの湧水に置く新豆腐 湧水のひだまりに置く新豆腐 湧水の日の斑かがよふ新豆腐 湧水に日の斑かがよふ新豆腐 湧水や日の斑…

遠花火

ねむりても旅の花火の胸にひらく 大野林火

月包む雲の明るし盂蘭盆会 かりがねは空ゆくわれら林ゆく 寂しかりけるわが秋もゆく 吉井勇

将棋界は渡辺三冠・豊島名人・永瀬叡王の三強を中心にしばらく時代が動いていきそうである。

みづうみに峰雲落つる深さかな 峰雲の深く落ち込む山上湖 みづうみの底ひに沈む雲の峰 みづうみの底に沈みぬ雲の峰 みづうみの碧を沈めて雲の峰 峰雲の湖の碧さに沈みけり 峰雲の落ち込む湖の碧さかな

弓音の風を生みたる今朝の秋 弓音の風を生みたる秋はじめ 弓音の風を生みけり今朝の秋 木が影を影が子ら呼ぶ柿若葉 木が風を風が子ら呼ぶ柿若葉 木が影を影が子ら呼ぶ雲の峰 木が風を風が子ら呼ぶ雲の峰 木が風を風が子ら呼ぶ五月来ぬ

玫瑰や雲を育む十勝岳 凌霄や雲を育む十勝岳

夏雲の深く落ち込むにはたづみ

百合剪つてしづかなる雨誘へり 夏雲や草の香りの靴を脱ぐ

茄子の花?

日光

霧込の杉の天衝く奥の宮 奥宮の天衝く杉や夏の霧 山霧や杉の天衝く奥の宮 夏雲や杉の天衝く奥の宮 夏霧や奥宮の杉天を衝き 奥宮の杉の天衝く夏の霧 夏霧や杉の天衝く奥宮 かんなびの杉の天衝く夏の霧 神奈備の杉の天衝く夏の霧 夏霧や神奈備の杉天を衝き神籬…

馬酔木第98巻第8号

人はこぶ列車八月十五日 鶴岡加苗 草市や風にとらるる灯をならべ 水原秋櫻子 打水や裾をからげて紺屋町 德田千鶴子 山梔子の香る一輪素焼壺 同上 この町にまだ住み倦かず時計草 渡邊千枝子 向日葵の野に落日のひかり充つ 根岸善雄 大瑠璃や荒瀬にかかる丸木…

今週のお題「空の写真」 夏の雲子のこゑ樹上より降れり 浮人形溢るる吾子の湯浴みかな 抱く吾子に溢れ落ちたる初湯かな みどりごの瞑れば春立ちにけり 勢ふ子の丈より大き浮輪抱く 抱く子の丈より大き浮輪かな 握る手の砂こぼしくる日焼の子 太陽の砂こぼし…

白南風や樹上の子呼ぶ妻の声 青嵐樹上の吾子を呼びにけり 白南風や樹上より子の呼び止むる 白南風や母を呼びたる樹上の子 白南風や友を呼びたる樹上の子 青嵐子のこゑ樹上より降れり

かたことの背に隠れゐる御慶かな 一声に綱引の空引き寄せぬ 一斉に綱引の空引き寄せぬ 夏雲や吾子の乗り出す三輪車 白南風の子や海見むと三輪車 腕の子といつしか睡る十三夜 風邪の子のおとぎばなしに眠りけり 泣初のはじめは息を震はせつ 風邪の子のやうや…

トマム

子羊の高鳴く牧や夏の雲母に添ふ子羊鳴きぬ姫小百合 仔羊の鳴き声甘し姫小百合 干草に顔埋めたる仔山羊かな 潮の香の靴揃え置くハンモック 潮の香の靴裏返るハンモック 潮の香の靴の転がるハンモック 草の香の靴の真下にハンモック ハンモック真下に草の香の…

美瑛・富良野

十勝連峰 十勝岳 麦秋や雲払ひ立つ十勝岳 玫瑰や雲払ひ立つトムラウシ山 ポプラ並び立つ馬鈴薯の花明り 馬鈴薯の花の中なるポプラ聳つ 郭公のこゑ遠くなる十勝岳白樺 麦秋の丘畳なはる地平線 麦秋の丘横たへて地平線 麦秋の丘連ねたる地平線

旭山動物園

かんぞうくるみ 狸 このはずく・あおばずく くもざる 鷲 キタキツネ こまい ペンギン 十勝嶺の日暮れて淡し氷下魚釣丹頂はまなす

紙漉の息づく波を鎮めけり 百合剪つて前山の雨誘へり 群青忌鷹の山巓翔りけり 群青忌山巓を鷹翔りけり 群青忌山巓に鷹翔りけり 群青忌山巓を鷹統べにけり 群青忌山巓を鷹統ぶるなり

紙漉の豊かなる波寄せにけり 紙漉の豊かなる波産まれけり 紙漉の産れつぐ波返しけり 紙漉の豊かなる波均しけり 紙漉の産れつぐ波払ひけり 紙漉の豊かなる波払ひけり 紙漉のひかりの波の産れけり 紙漉の波にひかりの産れけり 紙漉の波のひかりを鎮めをり 紙漉…

紙漉

紙漉の豊かなる波鎮めけり 紙漉の豊かな水を鎮めけり 紙漉の波打つ水を鎮めけり 紙漉の波打つ水の豊かなる

春雨や蹠くすぐるわらべうた 若芝や脇をくすぐるわらべうた 若草や脇をくすぐるわらべ唄

百合剪つてしづかなる雨到りけり 百合剪つて前山の雨到りけり 百合剪つて前山の雨到るなり 百合剪つてたをやかに雨到るなり 百合剪つてしづかに雨の到りけり 百合剪つて麓より雨到りけり 百合剪つて湖心より雨到りけり 百合剪つて渚より雨到るなり

美人は飽きるわよ和蘭陀獅子頭

食べ終へし皿運ぶ子や梅雨晴間 かたことの目を擦りたる御慶かな かたことに手を引かれたる御慶かな かたことに諸手つかまる御慶かな かたことの諸手をつかむ御慶かな かたことに手を掴まるる御慶かな かたことの手を掴みゐる御慶かな 利かん気の諸手あふるる…

吾子に手を引かれてくぐる茅の輪かな 吾子に手を引かるる茅花ながしかな みすずかる信濃の山河枯れにけり

海中を日の翳りゆく花梯梧 遺言執しけり報酬の梅酒享け