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黒髪を掻き上げ賀状書き上ぐる 毛糸編夜は黒髪の娘なる ぬばたまの黒髪の妻毛糸編

見舞・御礼

アンコールワットにも月また上る 芽ぐみゆく蘆の背丈を見守れり 冬いちご秘めし闘志の四肢にあり

飯坂温泉2

磐梯の雪湖に融けにけり 磐梯の雪湖に降りやまず 磐梯や夜の湖に雪降りやまず 掛軸の草書に日脚伸びにけり 掛軸の草書の釣瓶落しかや 身に纏ふ霜夜の闇や坂上る 掛軸の龍睨むなり冬座敷 胸に抱くふし懐炉ありけり櫓番 しぐるるや翁浸かりし湯に浸かり

駅東公園

恋人と手つなぐ銀杏黄葉かな 恋人の手握る銀杏黄葉かな手を繋ぐ恋人達や*1黄落期鞦韆の順番待つ子高曇 *1:クリスマス、神集

歌かるた

右奥の恋歌払ふ歌かるた 右奥の小町突きけり*1歌かるた 歌かるた蝉丸の札*2渡しけり *1:恋歌突けり *2:小町の札を

焼芋売家々の窓夕焼をり 石焼芋家々の窓夕焼けて

磐梯高原 五色沼

吾妻山より雲流れけり林檎の樹 裏磐梯落葉松散りて音もなし 旅人の仰ぐ落葉松散りにけり 湖に雲湧き出づる濃竜胆 空と湖分かつ雲あり濃竜胆 初夏の風落葉松を梳る 火の山は湖戴きぬ神渡 湖の色変はりて柳散り急ぐ 湖に触れんばかりに柳散る

飯坂温泉 青葉旅館

宝船雪洞そよと吹き消しぬ 宝船雪洞灯り吹き消しぬ 屏風絵の瓢箪闇に紛れなし 屏風絵の鯰に落暉兆しけり 白壁に親子の翳や炭はぜて 濡れし子をタオルに包む暖炉かな 真直に履かれし砂目冬座敷 波のごと履かれし砂目冬座敷 実南天源泉肩に流れをり

会津若松

細雪茅葺の屋根綴りけり 小夜時雨街道村を貫けり 艮の櫓に立つや敷松葉 城壁に上る梯子や息白く 雪嶺の四方に傅く天守閣 陽光の降り注ぐ山眠るなり 残菊や落日燃ゆる鶴ヶ城 凍雲や外堀深き鶴ヶ城 白虎隊見し城郭やならひ吹く 茶を立てる主に紅葉散りにけり …

大内宿

氷柱より煌めき落つる雫あり 氷柱より煌めく雫離りけり 煌めきて雫氷柱を離れにけり 膨らみて雫は氷柱離れにけり 鮎焼くや右手の軍手焦がれつつ 走り蕎麦葱もて食むる会津かな 茅葺の宿場香に立つ走り蕎麦 天離る鄙の宿場や根深汁 霜焼の指もて冬菜洗ひけり …

残月や初雪降れる那須五峰 どこまでも雑木紅葉の途を行く 落葉松に初雪の舞ふ赤城越 安達太良の翳さす銀杏黄葉かな

烏瓜・プラタナス

地図拡げ境示しぬ烏瓜 烏瓜槌もて木杭打ちにけり 烏瓜槌もて庭に杭を打つ 駅舎へと落つる落葉松黄葉かな 寄りかかる駅舎の木椅子黄落期

楡の木の流線えがく落葉かな 欅より流線えがく落葉かな 欅より日の線えがく落葉かな 欅より流るる線の落葉かな 欅より流線となる落葉かな

風船の歩道行き交ふ影*1映す*2 *1:人 *2:に揺る

耕二忌

新宿に熱燗呷る*1耕二の忌 外套にペン忍ばせて耕二の忌 外套に校正のペン耕二の忌 *1:点ける

湯気立ての日向のゆげの渦巻けり 白日に湯気立ちてゆげ渦を巻く

今朝冬の理髪師腰の鋏抜く 今朝の冬理髪師腰の鋏抜く

咲き群れて百合月光を浴びにけり 咲き群れて月光浴ぶる鹿の子百合

牡丹焚く闇の幽かに震へけり 牡丹焚くぬばたまの闇震へけり さいはての防人の丘鵙日和

北品川

黒足袋や品川宿に湯の滾る黒足袋や古道の宿の湯の滾り 重ね着の品川宿に湯滾りつ 黒足袋の品川宿に湯滾りつ 北塞ぐ品川宿に湯滾りつ 初霜の品川宿に湯滾りつ 霜晨の品川宿に湯滾りつ 霜晨の大内宿*1に湯の滾つ 雪催品川宿に湯滾りつ 旅ごろも松に掛けをり翁…

翡翠の水面を打ちし枝撓ふ

伊香保 水沢 榛名

榛名湖 夫婦こぐ湖の小舟や雁渡し 黎明の湖かけて山粧へり 粧ひて榛名の富士の湖に映ゆ 粧へり山湖に映ゆる榛名富士 粧へり湖に照りゆく榛名富士 粧へり湖照り映ゆる榛名富士 湖に一陣の風菱紅葉 日射しゆく榛名の富士の粧へり 風そよぐ湖畔に榛名粧へり 戦…

獨協医科大学病院

外科棟の銀杏黄葉の翳となる 黄落の外科病棟の日を享くる 黄落の外科病棟に日を享くる 外科棟の高き銀杏に風渡る黄葉の銀杏並木の日を享くる

夜顔

行く秋の諸手窪めて種を採る行く秋の諸手窪めて種を享く 夕月に諸手窪めて種を採る [ 種採の曲げし諸手にたねを享く 種採の枉げし右手にたねを享く 種採の窪めし諸手たねを享く 種採の諸手窪めてたねを享く

一条の飛行機雲の柳絮かな

ジャパンカップサイクルロードレース

隊列を組む自転車や紅葉晴 天幕に鳥影過る初紅葉 百千の風船レース始まりぬ 風船の犇めく空やレース了ふ 天幕の蜻蛉の影や根なし雲 運動会ピストル空に響くなり かけつこの一等賞に赤蜻蛉 かけつこの一等賞や赤蜻蛉 かけつこの表彰台の蜻蛉かな かけつこの一…

新雪の己が一歩を踏みしむる 初雪の一歩一歩を踏みしめぬ 七五三の子ら鏡に胸張りぬ

三越の獅子に妻待つ初時雨 三越の獅子に友待つ時雨かな 千疋屋のメロン抱へて外科訪へり千疋屋のメロン抱へて眼科訪ふ

我も妻も風邪の身床に横たへて 看病の妻も倒れぬそぞろ寒

茄子紺の織部や散らす新生姜

パンとチーズとウオッカと赤い羽根 ペーチカとパンとチーズと赤ワイン

ハツコ・エンドウ

打掛の緋の翻る久女の忌 打掛の緋を翻す枇杷の花 打掛の緋を翻す久女の忌 打掛の緋色の裏地秋澄めりhttp://www.hatsuko-endo.co.jp/

十三夜屋台の暖簾くぐりをり

秋燕や洗ひ上げたる割烹着

戸祭山 祥雲寺

蘆刈や弁才天を祀る島

秋燕や馬柵靄ひ立つ赤城山

法廷に塵一つなし秋入日*1 *1:白木槿

霜月や紋付羽織る日本橋 菊月や着流してゆく日本橋 十月やドレス着替へる婚の妻 菊月の新妻ドレス着替へをり 妻撰ぶ婚の衣装や秋うらら*1 妻撰む花嫁衣装秋うらら *1:夕紅葉、菊日和

丸善に医書を撰りをり十三夜 丸善に医書撰みをり十三夜

ベルラクール

婚礼の誓ひの言葉カンナ咲く 婚礼の誓ひや窓にカンナ咲き 声揃へ婚の誓ひよ花カンナ 天霧らふ那須の五峰や稲を刈る 男には男の苦楽生姜食む 男には男の苦楽新生姜 女には女の苦楽棗の実

薄墨の遠嶺連ぬる鰯雲 薄墨の遠嶺連ねて鰯雲

柘植櫛に垂らす油や夕月夜 十六夜や筆もて眉の淡く引き 櫛垂らす椿油や汀女の忌

木犀や丘に切り聳つ美術館 穭田に犬連れ歩く女かな 弥生野に新妻が寝る我も寝る 妻眠る弥生野風の戦ぎ立つ 風戦ぐ雲雀野*1に妻睡りをり *1:弥生野

灯火親し妻と取り合ふ歌かるた

鎌倉にたゆたふ小舟星月夜

妻を待つ弓道場の良夜かな 名月や的を貫く甲矢乙矢

宇治に読む十帖灯火親しけり

かなかなや暮れ残したる杉並木 かなかなや夕影刻む杉並木 蜩や夕影刻む杉並木

出迎の父に靡ける紫苑かな

星粒の満ちゆく葡萄籠に盛る