俳句

雲の行くグランドピアノ春休み

海鳴は海を離れず簟 潮騒は潮を離れず籠枕 潮騒は潮を離れず心太 潮騒は潮を離れず夏季講座 風と風打ち合ふ干瓢干しにけり 山々の眠りを白鳥にわかつ 山々の眠り白鳥にもわかつ 水鳥の眠れば山の眠るあり 胸元の蛍や小さき手と包み 夜長星指人形の泣き笑ひ …

遠山に雲の膨らむげんげかな 遠山に雲の膨らむクロッカス 遠山に雲の膨らむ土佐水木 遠山に雲の膨らむ君子蘭 遠山に雲の膨らむ蔦若葉

夕焼の子とわかるなり子を呼びぬ 松蝉や言葉選びて子を諭す 初蝉や言葉選びて子を諭す 斑猫や言葉選びて子を諭す 氷水言葉選びて子を諭す 河骨や言葉選びて子を諭す 子を諭す言葉を選ぶ極暑かな 子を諭す言葉選びぬ苔の花 子を諭す言葉選びぬ氷水 子を諭す言…

春菊・躑躅・黒種草

寝転ぶや若草の上に置く眼鏡 白雲や若草の上に置く眼鏡 昼寝せり眼鏡置きたる草の上 花茣蓙に寝たり眼鏡を草の上 雲の峰忘れ潮より溢れ落つ 若草に眼鏡を置くや雲に寝る 峰雲や眼鏡置きたる草の上 草の上に眼鏡置きたる日向ぼこ初夏の銀杏並木のはるけしや

竹林に濡れざるはなし囀れり

「見えぬ眼の子犬の乳呑む立夏かな見えぬ眼の仔犬乳呑む立夏かな」

肩組みて母校を囃す日焼かな 歌声の妻湯浴むなり夜の秋

笑ふ歯の瑞々しさよ水遊び 水鉄砲横顔に受け笑ひをり 波音の松に返りぬ簟 波音を松の返しぬ籠枕 赤松の波音返す青簾 アマリリス遠き波音とどきけり 立葵遠き波音とどきけり 岳を獲てすなはち鷹の別れかな 山巓に日を獲て鷹の別れかな 頂上に日を獲て鷹の山別…

草笛や一枚に凪ぐ山上湖 草笛や一枚凪の山上湖 林中に濡れざるはなし百千鳥

夕虹をくぐりて友を見送りぬ 春の虹くぐりて友を見送りぬ 林中に濡れざるはなし西行忌 竹林に濡れざるはなし炉の名残 林中に濡れざるはなし時鳥 林中に濡れざるはなし桜桃忌 竹林の濡れざるはなし時鳥 夢に覚め雨降りゐたるたかしの忌 くるぶしに水草青き目…

睡重(ねおも)りを横抱き急ぐ冬三日月 中村草田男

菖蒲湯を出るまで吾子と指を折る

芍薬

サイダー

サイダーの中浮かびゆく山河あり サイダーの中浮かびくる山河あり

抱き上げて吾子に葺かせぬ軒菖蒲 アカシアの花咲けり妻身籠れり 鵺の声山麓を闇つつみゆく

藤波の地に触れて風起りけり アカシアの咲き満ちて妻身籠れり

ダリア・日日草・アマリリス・ジャーマンアイリス

花びらを敷き詰め潦乾く 沼尾将之水に味あること春の嵐止み 同上

雲とほるグランドピアノ夏休み 登高の背に眠る子のしがみつく

海峡を帆船とほる雁供養 海峡に帆柱高し雁供養 秋風に声をほにあげて来る舟は天の門(あまのと)わたる雁にぞありける 藤原管根 古今集 第四・212

母の日

母の日や子と牛乳をもて帰る 母の日の銭湯に子を洗ひをり 母の日や寝かせむ子より早く寝て 母の日や手を引きて子と味噌買ひに 母の日や牛乳を飲む風呂あがり 母の日や真夜にココアをあたためて

紫雲英

げんげ野に吾子を転がす日の高さ げんげ野の吾子とでんぐり返しかな

みづうみに立つ白波や初幟 みづうみに立つ白波や蝉丸忌 菖蒲湯を出るまで吾子と数かぞふ 海坂の真闇あたらし烏賊釣火

ラナンキュラス・アネモネ・シーラ・石楠花

白藤の地に触れて風離れけり 白藤の地に触れて風起りけり

セルの子を風の離るる音したり セルの子を風の離るる音立てり シャツの子を風の離るるこどもの日 シャツの子を風の離るる端午かな シャツの子を風の離るる夏はじめ シャツの子を風の離るる立夏かな 三味線を爪弾きて夏呼びにけり 鍵盤の白黒叩き夏を呼ぶ 鍵…

粽(自家製)

子の頬の柔らかければ粽結ふ

風花

風花の峰越へ天に還りけり 風花の落葉松の峰越へにけり 風花の落葉松の峰越ゆる夜

アカシアの花咲けば妻身籠れり 白藤の揺れれば妻の身籠れり

登高の眠る子背負ふ熱さかな 登高の眠る子の背に熱きなり 登高の眠る子の背に熱きあり 登高の眠る子の背に熱きかな 登高の背に眠る子の熱さかな 登高の背に眠る子の熱きなり 登高の背に眠る子の熱きかな 登高の背に眠る子の熱さあり