俳句

大試験

不揃ひの鉛筆並べ*1大試験 鉛筆の長さ短さ大試験 傷のある鉛筆握る大試験 大試験鉛筆握りしめにけり 大試験傷の鉛筆握り待つ 鉛筆の傷握り待つ大試験 大試験鉛筆の傷触れて待つ *1:並ぶ、置ける

夢殿

夢殿の扉の開くより草雲雀 草雲雀夢殿の扉の放たれつ

興福寺仏頭

仏頭の鼻筋高し雁渡し 仏頭の高き鼻筋秋気満つ 仏頭の鼻筋高し秋はじめ 仏頭の鼻筋高し涼新た 仏頭の鼻筋高し今朝の秋 仏頭の高き鼻筋涼新た

三日月

三日月や妻の床臥す奥座敷

春日大社・東大寺・興福寺

春日大社 参道の先行く鹿や春日山 参道に歩む牡鹿や春日山 暁光や木漏れ日歩む鹿のこゑ 暁雲やひだまり歩む鹿のこゑ 鹿のこゑ鳥居より日の傾きぬ 神奈備の鹿の死にゆく重さかな 小牡鹿に顧るものなかりけり 鹿の子の立ち上がりたる夜明かな 嵐去る峰や牡鹿の…

法隆寺・中宮寺・唐招提寺・薬師寺・秋篠寺・平城京址

法輪寺 子規の忌の平癒祈願や法輪寺 法隆寺円柱に膨らみのある初紅葉 斑鳩の夜の虫すだく獺祭忌 子規の忌の夜は斑鳩の虫すだく中宮寺 半跏仏御頬に春の光あり 秋暁や御頬の黒き半跏仏 初秋や御頬あかるき半跏仏 初秋や御頬ふつくら半跏仏 初秋や御頬ふくよか…

室生寺・長谷寺・飛鳥

室生寺 雨垂れの打つもみじ葉の初紅葉 比丘尼らの祈る石楠花月夜かな 有明の月さす女人高野かな 龍淵に潜める女人高野かな 黎明の霜降る女人高野かな 鹿啼くや手を牽きてゆく奥の院 きざはしに牽く小さき手や伝教会 手を牽きて高き室生に登りけり長谷寺 こも…

荷台より顔出す豚の秋暑かな 出荷待つ豚の瞳や曼珠沙華 パラソルをさしたる母の耕運機 日傘より顔出す母の稲刈機 日傘より母の顔出すコンバイン

不器男忌の雨後のパセリの碧さかな

秋夕焼・鰯雲・宵闇

雲表を真紅に焦がす秋夕焼 豊旗雲焦がす秋日の没りにけり 豊旗の雲間を焦がす夕焼かな 浮雲のたまゆら燃ゆる秋夕焼 絹雲の一襞づつの秋夕焼 秋没日豊旗雲を焦がしつつ 紅鶸に雲間を分かつ秋夕焼 雲表のまにまに燃ゆる秋夕焼 薄雲の襞の朱華や春夕焼 絹雲の朱…

新米

新米の指より零れ落ちにけり 今年米指の合間を零れけり 掬ひ上ぐる新米指を零れけり 掌の新米にある重さかな 掌の隙間零るる今年米 今年米享くる諸手に溢れけり 今年米享くる両手を零れけり

立待月

破産者に督促来る無月かな 破産者に訴状の届く雨月かな

宅地造成 定義 語呂合わせ

人気ある井守同時に面子せり2m切土 1m盛土 切り土盛土同時に面積500平米

空蝉・待宵

鉄幹の空蝉掴む虚空かな 鉄幹の空蝉仰ぐ虚空かな 蜘蛛の子の掴む虚空の重さかな 蓑虫の糸に虚空の重さあり 禿鷲の掴む虚空の重さかな 秋蝶の掴む虚空の重みかな 夏蝶の虚空を掴む力かな 刑務所の少年に出す夏見舞 海原を描き少年へ夏見舞 海原を描き受刑者へ…

山吹の零るる瀬へと手を浸す

小舟漕ぐ舵の音あり避暑の宿 小舟漕ぐ舵の音遠き朝寝かな

住の江の葦辺や千鳥羽ぐくもる 暝れる鶴に羽ぐくむ卵あり 抱卵の鶴羽ぐくもる池塘かな 丹頂の雛羽ぐくもる湿地かな

葦辺行く鴨の羽がひや大覚寺 草香江の葦辺の鴨の羽がひかな

巻11・2453 万葉集

春柳葛城山に雲立ちぬ*1 *1:立ちても居ても妹をし思ほゆ 作者不明

平賀源内が相談を受け、鰻を食べれば夏バテしないと喧伝したとの説について

真偽は定かではないが、根拠がないわけではない。博識な平賀源内がこの辺から持ってきたのであろう。 石麻呂に我物申す夏痩せに良しといふものそ鰻捕り喫せ 万葉集16・3853 大伴家持

万葉集巻11/2490 柿本人麻呂歌集

天雲に羽打ち付けて鶴来る 天雲に羽打ち付けて鶴ぞ来る 天雲に羽打ち付けて田鶴渡る*1 *1:たづたづしかも君しいまさねば

万葉集卷13・3295 作者不明

女郎花黄楊の小櫛を押へ挿す 月見舟黄楊の小櫛を押へ挿す けふの月黄楊の小櫛を押へ挿す 月今宵黄楊の小櫛を押へ挿す

耳当てて胎動を聞く良夜かな 耳当てて聴く胎動や寝待月 耳当てて胎動を聞く寝待月 耳当てて胎動聞きぬ草雲雀 胎動を耳に感ずる寝待月

新涼

新涼やペダル立ち漕ぐ男坂

団体交渉

春闘の条項記す女書記 春闘の条項記す手の早し 春闘や条項記す女の手 団体交渉女速記の汗ばめる 春闘の書記長の髭汗ばめる

庫裏出づるより初雪の京にをり 庫裏出づるより初雪の飛鳥なり

犬の日

安産の願の糸や貴船川 七夕や瀬風のかよふ貴船川

天蚕の葉隠れにし眠りかな 葉隠の蛾の蒼白し高嶺星 葉隠や天蚕青き眠りして 夕顔の葉隠の蛾の眠りをり 玉繭の朝の光を纏ふなり 朝霧の立つ谿川や蛾の生るる 残月に透く天蚕の眠りかな 月明に透く天蚕の眠りかな

蟷螂に後脚踏ん張る怒りあり 蟷螂の怒りて後脚踏ん張れる 蟷螂の後脚満つる力あり 蟷螂の後脚に立つ怒りあり 駄菓子屋の扉を出づるより飛蝗かな 駄菓子屋の子らに跳ね出る飛蝗かな 海彝打つや当り外れのあるアイス