俳句

推敲

積み木つむ吾子の手柔し小六月 濡るる子をタオルに包む柚子湯かな

天元に碁石打つ音冬ぬくし 天元に碁石打つ音日脚伸ぶ 月明の峡に山茶花散りいそぐ 月明の峡や山茶花散りいそぐ 濡るる子をタオルに包む暖炉かな 濡るる吾子タオルに包む暖炉かな

天元に白石打ちぬ小六月 天元に打つ石の音冬ぬくし

積み木置く吾子の手小春日和かな

真白なる雲に北窓開きけり 流れゆく雲に北窓開きけり まさをなる空に北窓開きけり

ストーブや眠たき吾子の手を包む

積み木置く吾子の手伸びぬ小六月

手入師の影に落ちたる松の音 碧天の欠くる音あり松手入 碧天の罅割るる音寒に入る 碧天を掴む大根干しにけり

遺言を書く手震へぬ一茶の忌

白鳥に純白といふ翳ありぬ

舞妓らの小路を行くや事始 舞妓らの名刺あらたし事始 舞妓らの簪揺れぬ事始 舞妓らの枝折戸引きぬ事始 舞妓らの枝折戸推しぬ事始 舞妓はーん。

寒月の一輪高し峯の松 節齋 誰恋ひて世にや落ちつる雪女 服部耕雨 失へる恋を求めて雪女郎 木戸叩く音昂ぶりぬ雪女郎 玻璃戸打つ音昂ぶりぬ雪女郎 いにしへの恋に彷徨う雪女郎 天元に打つ石の音日脚伸ぶ 天元に打つ石の音春近し 囀に珈琲豆を挽きにけり 秩父…

秋灯の文机伝ひ歩く吾子 霜焼の子の頬やほほ寄せ眠り 霜焼の吾子ら頬寄せ睡るなり 霜焼の頬寄せ吾子ら睡りをり 霜焼の吾子の頬撫で睡りけり 星座盤子らへの土産(つと)にクリスマス 白井郷峰 手に提ぐる玩具の包み息白し 手に提ぐる玩具の包み十二月 山茶花…

手に砕く土の乾きや大根引 手に砕く土渇くなり大根引 手に砕く土の渇きよ大根引 手に砕く土乾きけり大根引 手に砕く土乾きをり大根引

峡の瀬の激つ秩父夜祭かな

月明の山茶花峡に散りいそぐ

胸に顔うずめて眠る小夜着の子 雁木より垂るる御幣に佐渡遠し 風邪の子の頭より湯を流しけり 隠れゐし子や雪だるまより出でて

推敲

頬よせばほほ寄せ眠る小夜着の子 天瓜粉抱き上ぐる子に一穢なし 手に砕く土の温もり麦を蒔く 手に乾く土の温もり麦を蒔く 妻吹けば吾子吹きたがる葛湯かな 五頭山の影背負ひ降る雁のこゑ 五頭山の影より降れり雁のこゑ

越前蟹漁解禁

のつぺい汁対岸に灯のともりそむ

妙高・親不知

妙高は雲の中なり秋収 妙高は雲の中なり晩稲刈 親不知子不知千草手向けけり 親不知子不知母子草手向く

砺波

抱き上ぐる子に山茶花明りかな 山茶花や日に向けて吾子抱き上ぐる 秋耕や日の温もりの土にあり 秋耕の鋤き返す土匂ひけり 手に確める土の温もり菜種蒔く 草を引く畝に秋日の濃かりけり 手に馴染む土の温もり大根蒔く 手に砕く土の温もり大豆引く 手に砕く土…

糸魚川 姫川

筋交ひに熱きを渡す囲炉裏かな 峡の湯に日を曳きて散る柳かな 峡の日の杣小屋にある唐辛子 杣小屋に峡の日没りぬ唐辛子 杣小屋に炎立つ峡の日吊し柿 さて 峡の日や笠と干さるる唐辛子

新潟

橋ごとに爽籟抜くる信濃川

福島潟 雁

かりがねや墓に持ちゆく嘘一つ五頭山の影背負ひ来ぬ雁の声 綿菅や鳶の高舞ふ牧の朝 夕照のみづうみに降るかりの声 かりがねや敗訴の報を胸に抱き かりがねや収監の報胸に抱き かりがねや敗訴判決ポケットに かりがねや敗訴判決胸に抱き

白鳥

白鳥は金色の日の湖を統ぶ 大白鳥金色の日に湖を統ぶ 大白鳥金色の日の湖統べぬ 金色の日に白鳥は湖を統ぶ 金色の白鳥湖を統べにけり 白鳥の眠れる湖となりにけり 暁闇の白鳥湖を統べにけり 一羽より列なる 一羽は離れ

安積 虹

山裾に日の降り注ぐ秋の虹 みづうみと嶺睦みをり秋の虹 山裾に日の降り注ぐ晩稲刈 山裾に日の降り注ぐ竹の春 誰を焼く煙棚引く秋の虹の ひとこそ。

新涼のポンパドゥールとなりにけり

白萩の夜来の雨にこぼれけり

影として毛虫這ひけり後の月

嶺よりの風背に受けつ大根引 筑波嶺の風背に受けつ大根引