2019-10-27から1日間の記事一覧

高座の御笠の山に鳴く鳥の止めば継がるる恋もするかも 山部赤人(巻3・373)

高座の(枕詞)御笠の山に鳴く鳥が鳴き止んだかと思うとすぐまた鳴きだすように、抑えたかと思ってもすぐまた燃え上がる切ない恋を私はしている。 春日野に登りて作る歌。

縄の浦に塩焼く煙夕されば行き過ぎかねて山にたなびく 日置少老(巻3・354)

夕凪や塩焼く煙たなびける 夕凪の瀬戸の塩焼く煙かな 夕凪の入り江塩焼く煙かな 夕凪の瀬戸に塩焼く煙立つ 藻塩焼く煙たなびく土用凪

みもろの 神なび山に 五百枝(いほへ)さし 繁(しじ)に生ひたる 栂の木の いや継ぎ継ぎに 玉葛(たまかずら) 絶ゆることなく ありつつも やまず通はむ 明日香の 古き都は 山高み 川とほしろし 春の日は 山し見が欲し 秋の夜は 川しさやけし 朝雲に 鶴(た…

さざれ波磯越道なる能登瀬川音のさやけさたぎつ瀬ごとに 波多朝臣小足(巻3/314)

小波(さざなみ)が川岸の岩を越すというではないが、越の国へ行く道の能登瀬川、この川の音のなんとさやかなことよ。激ち流れる川瀬ごとに。 激つ瀬に岩打つ波のさやけしや