2019-05-01から1日間の記事一覧

西行

波にやどる月をみぎはに揺り寄せて鏡にかくる住吉の月渚まで波間の月を揺り寄せぬ 月宿す波を渚に揺り寄せぬ。漕ぎ出でて波間の月を揺り寄せぬ 月宿す波揺り寄するオールかな 月影の波引き寄する 夜振の火波間の月を揺り寄せぬ 鵜飼舟波間の月を揺り寄せぬ曇…

西行

津の国の難波の春は夢なれや 葦の枯葉に風渡るなり宮柱下つ岩根に敷き立てて つゆも曇らぬ日のみ影かな子はやはらかしあたたかし 摘草や吾子やはらかくあたたかく 子は柔らかしあたたかしぱたぱたと奇声をあげて笑ふ生き物 柔らかきあたたかき吾子ころばしぬ…

群青忌

葉桜の那智の高嶺よ群青忌 葉桜の高嶺聳(そばだ)つ群青忌 葉桜の高嶺天衝く群青忌 滝音の地鳴りのごとき木立かな 水音の甃(いし)に轟く夏木立 地に響く滝音天を衝く高嶺

西行

籬(ませ)に咲く花にむつれて飛ぶ蝶の羨ましくもはかなかりけり初蝶の間垣にもつる西行忌空にいでていづくてもなく尋ぬれば雲とは花の見ゆるなりけり散る花を惜しむ心やとどまりてまた来ん春のたねになるべきとくとくと落つる岩間の苔清水 汲みほすほどもな…

在原業平

世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし忘れては夢かとぞ思ふおもひきや 雪踏み分けて君を見んとは感情が溢れて言葉の流に身を任せる。そういう歌ほど美しいのだから矛盾している。(略)どのようにも解釈できるし、読むひとの心次第で、どこ…