2019-04-20から1日間の記事一覧

馬酔木第98巻第5号

毛虫ゆく雨粒やわらかく壊し 月野ぽぽな !薔薇剪つて遠き水平線に挿す 河内静魚 羽抜鶏一羽となれば鳴きにけり 和田耕三郎 明方の生絹ぐもりやはんの花 岡本まち子と。 大前の光啄む春の鳥 同上 ミモザ揺れ海かけて春ひろげゆく 渡邊千枝子 梅東風の湖滑り…

 水原秋櫻子

山桜雪嶺天に声もなし 瀧みだれ大残雪にひびき落つ 暁紅に外れて夏逝く槍ヶ岳 十六夜の竹ほのめくにをはりけり 金雀児や日の出に染まぬ帆のひとつ 月いでて薔薇のたそがれなほつづく

蜩や奥の青嶺にうちひびき 水原秋櫻子 惜春の奥嶺より降る鳥語かな 奥嶺よりかりがね帰るこゑ降れり 湖心よりかりがね帰るこゑ降れり 空かけてかりがね帰るこゑ降れり 沖かけてかりがね帰るこゑ降れり 深空よりかりがね帰るこゑ降れり

桜蕊降るや流るる瀬の激つ 桜蕊降りて瀬音の早みけり 梅しだれ枝垂れて瀬音激ちけり 梅しだれ枝垂れて激つ瀬音かな 梅しだれ枝垂れて月の舟溜 梅しだれ枝垂れて瀬々の碧さかな 梅しだれ枝垂るる瀬々の蒼さかな