2018-09-23から1日間の記事一覧

うしろより鳥語降り来る朧かな

馬場移公子

吾子の手の水に届きぬ流燈会 幼の手水に届きて雛流す

睡りゆく妻子に榾火継ぎにけり

吾子あそぶ文机の下冬日満つ 文机の下に来る吾子冬日満つ 文机の下に来る吾子秋日満つ 小机の下に来る吾子秋日満つ

馬場移公子 峡の音を読む

絵本読めばこほろぎ吾子を鳴きつつむ

ふらここのわが影に子の出で入りぬ 子の影に母の出で入る石鹸玉 わが影に吾子出で入りぬ石鹸玉 わが影に子の入る燈火亦親し わが影に吾子入れ燈火親しめり わが影に吾子入り燈火親しめり わが影に吾子入る燈火親しめり

一穢なき吾子洗ふなり水の秋 一穢なき吾子洗ふなり紅葉晴 一穢なき吾子洗ふなり菊の日々 一穢なき吾子洗ふなり鉦叩 一穢なき吾子洗ふなり渡り鳥 一穢なき吾子洗ふなり白木槿 一穢なき吾子洗ふなり薄月夜

移公子忌の雲凍て返る武甲山 桑解くと峡に風立つ移公子の忌

栗飯・しぎ焼

混ぜ返す湯気立ち上る栗の飯 かき混ぜる湯気立ち昇る栗の飯 真っ直ぐに湯気立ち上る栗の飯 ゆつくりと湯気立ち上る栗の飯 ふつくらと湯気立ち上る栗の飯 ふかふかと湯気立ち上る栗の飯 栗飯をかき混ぜしより湯気立ちぬ 栗飯の混ぜ返すより湯気立ちぬ

火の山を田鶴わたるなり源義忌

「馬酔木俳句の評釈」水原秋櫻子 馬酔木 昭和24年9月号

作者の住むのは秩父の峡もかなり深いところだから、梅雨が降り続くと,渓流は忽ち水勢を増し、川床の大石を押し流すようなこともあるのだろう。すでに降り出してから4,5日になるが雨脚はますますつよくなるばかり。山々は其の姿をすっかり雲に没して、一…