2017-11-29から1日間の記事一覧

ホア・ルー

涼風をとどめブーゲンビリアかな 涼風をとどむるブーゲンビリアかな ・黎明の霊廟に降る瑠璃のこうえ 温もりの背にある牛を冷やすなり ・背の瘤の大き水*1牛冷やしけり 霊廟の手水の杓や一葉落つチェス盤に黒き騎士置く露台かな チェス盤の騎士進めをり夏舘*…

ハロン湾

パイナップル売る手貰ふ手香りけり 桃渡す手も貰ふ*1手も匂ひ立つ 龍天に昇る諸島の雲間かな 龍天に昇る山河の蒼さかな 初漁の水夫跳び乗る暁の舟 ・残照の遠き山火の走りけり 国栖原の*2遠き畔火の走りけり 黄昏の帆影曳きゆくヨットかな 一湾に潮風満つる…

ハノイ旧市街・郊外

磯鴫庵虎御前の雨降りにけり 扉を開くより水鉄砲に打たれけり 怒る妻水鉄砲に打たれけり ペチュニアや路地裏に聴く胡弓の音 頬寄せてパイナップルを喰うべけれ 恋人と頬寄せ夏の蜜柑かな 夜市のもろこしの火に座しにけり宵の市田螺の剥き身並べけり

ハノイ朝

杜影の湖にたゆたふ御講凪 みづうみに杜影のある御講凪 葉柳やみづうみにある夜の蒼さ 対岸を見果てぬ河や宵涼み 釈奠や黒き杜ある水鏡 釈奠や暁の舟置く水鏡 一柱の支ふる社朱ぼん咲く 一柱の支ふる寺や花蜜柑 水芭蕉古城の池に浮かびけり 網篭の鶏のこえ夏…

ホーチミン宵の口

おくんちや遠く奏づる手風琴 みくんちや胡弓奏づる兄妹 ・おくんちや朱き刺繍の獅子の旗 ▲傀儡師操る糸の縺れけり 人形の手足縺るる晩夏かな

ホーチミン夜

・夜市の間抜け来る石鹸玉 夜市の呉座に吹きういる石鹸玉 スコールや諸人宿す阿弥陀堂*1 噴水の火息みて王宮現れぬ 噴水の火息めば古城の現れぬ *1:歌劇場

クチ

船頭の笠紐結ぶ田植舟 ゴムの木の皮薄く剥ぐそぞろ寒 ゴムの木の皮薄く剥ぐ緑雨かな ゴムの木に斧振りかむる杣の秋 肌脱の軍手に運ぶ丸太かな ・両耳の*1伏する牛より冷やしけり マンゴーの花ぞ垂れゆくみどりの夜 ▲滴れり地下壕の壁伝ひゆく 地下壕の壁伝ひ…

ホーチミン

▲マンゴーの花の散りゆくプールかな 春の芝校旗の影のはためきぬ ギロチンの刃の鋭角や番紅花 木耳や月の出を待つ旅をはり ・ポインセチア高き星より瞬けり 鉄条網赤く錆び付く仏桑花 鉄条の赤く錆び付く仏桑花 鉄条の網の朱さよ仏桑花 鉄条の網の錆び付く仏…