水底の玉さへさやに見つべくも照る月夜かも夜の更けゆけば 詠み人知らず(巻7・1082)

水底の玉照る二十三夜月

瀬を早みゐで越す波の音さやか

水霧らふ沖つ小島に風をいたみ舟寄せかねつ心は思へど 詠み人知らず(巻7/1401)
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冬 俳句歳時記 第五版 植物

冬紅葉

朱よりもはげしき黄あり冬紅葉 井沢正江

歩みゆく明るき方へ冬紅葉 岩田由美

木の葉

木の葉一枚水引っぱって流れをり 和田順子

落葉

湖底まで続く落葉の径のあり 齋藤梅子

朴落葉

下草に日は満ちゆきて朴落葉 須原和男

銀杏落葉

花の如く銀杏落葉を集め持ち 波多野爽波

冬木

つなぎやれば馬も冬木のしづけさに 大野林火

口笛のまっすぐに来る冬木立 坂本宮尾

名の木枯る

銀杏枯れ星座は鎖曳きにけり 大峯あきら

冬枯

枯れきつて育む命ありにけり 西宮舞

雪折

雪折れの竹生きてゐる香を放つ 加藤知世子

寒菊

冬菊となりて闇負ふ白さかな 五十﨑朗

水仙

水仙の束解くや花ふるへつつ 渡辺水巴

水仙に蒼き未明の来てゐたり 島谷征良

藪柑子

城山に海の日とどく藪柑子 棚山波朗

冬菜

冬菜畑よりもどりたる神父かな 岬雪夫

葱伏せてその夜大きな月の暈 廣瀬直人

麦の芽

麦の芽が光る厚雲割れて過ぐ 西東三鬼

枯葎

すぐそこにゐる子の見えぬ枯葎 岩田由美

枯蘆

枯葦の川わかれゆく波紋あり 齋藤夏風

枯萩

枯萩の白き骨もて火を創る 中村苑子

枯草

枯草を踏めばふはりと応へくる 加藤耕子

枯芝

枯芝に子供のものをあづかりぬ 山西雅子

石蕗の花

人住むを大地といへり石蕗の花 神尾久美子

冬菫

花街に抜け道ありぬ冬菫 蟇目良雨

喉元の釦の固し冬菫 山本菫

龍の玉

竜の玉旅鞄よりこぼれ出づ 山崎ひさを

生きものに眠るあはれや竜の玉 岡本眸

俳句歳時記 第五版 冬 動物

冬の雁

冬の雁くろがねの空残しけり 伊藤通明

冬の鵙

冬鵙のゆるやかに尾をふれるのみ 飯田蛇笏

冬の鶯

叢雲は日を抱き藪は笹子抱く 檜紀代

寒鴉

動かんとするもの圧さへ寒鴉 依田善朗

鷦鷯

水べりの樹間あかるし三十三才 福谷俊子

 鴨

日のあたるところがほぐれ鴨の陣 飴山實

都鳥

寄るよりも散る華やぎの都鳥 石鍋みさ代

 

かよひ路のわが橋いくつ都鳥 黒田杏子

ゆりかもめ胸より降りて来たりけり 井上弘

百合鴎よりあはうみの雫せり 対中いづみ 

冬鷗

沖荒るる日の揚げ舟に冬かもめ 鈴木しげを

ポケットに拳の熱し冬鷗 山下知津子

鶴啼くやわが身のこゑと思ふまで 鍵和田柚子

 白鳥

ふぶくごとくに白鳥のもどりくる 中岡毅雄 

大鮪ひと蹴りで糶り落としたり 千田一路

 鱈

鱈船に海盛りあがる日の出かな 岸孝信

寒鰤は虹一筋を身にかざる 山口青邨

日の柱立つ寒鰤の定置網 神蔵器

金目鯛

金目鯛水を惜しまず糶られけり 川崎清

鮟鱇

一喝に似て鮟鱇を糶りおとす 今瀬剛一

氷下魚

透明な火をなだめては氷下魚釣 北光星

湖の青氷下魚の穴にきはまりぬ 齋藤玄

うすうすと火の香したたる氷下魚釣 大石悦子

柳葉魚

一湾の光束ねて柳葉魚干す 南たい子

真黒に濡れたるいろに寒鮃 今井杏太郎

河豚

河豚の皿赤絵の透きて運ばるる 内藤吐天

河豚を喰ふ顔をひと撫でしたりけり 岡本高明

寒鯉

寒鯉の居るといふなる水蒼し 前田普羅

寒鯉に力満ちきて動かざる 中嶋秀子

魦網雲のごとくに干されたり 加藤三七子

 寒蜆

火柱のごとき没日や寒蜆 中岡毅雄

蟷螂枯る

蟷螂の風喰ふほどに枯れにけり 石蔦岳

凍蝶

ひと揺れの後凍蝶となりにけり 立村霜衣

冬の蜂

冬蜂の胸に手足を集め死す 野見山朱鳥

冬の虫

火と水のいろ濃くなりて冬の虫 長谷川双魚

 

サンタクロース

子に告げぬサンタクロースの言づてを

子に告げなサンタクロースの伝へごと

子に告げむサンタクロースの伝へごと

子に告げぬサンタクロースの伝へ言

言い聞かすサンタクロースの伝へ言

子に告げぬサンタクロースの伝へ言

耳打のサンタクロースの伝へ言

耳打やサンタクロースの伝へ言

泣く吾子にサンタクロースの伝へ言

泣く吾子やサンタクロースの伝へ言