風船

二階より風船の子に声掛けぬ
風船の上より吾子を呼びにけり
風船の上より吾子の名を呼びぬ
風船の子の頭上より声掛くる
二階より風船の子の名を呼びぬ
風船の紐握る子の名を呼びぬ
黄昏にふらここの子の名を呼びぬ
二階より風船の子を呼び止めぬ
二階より風船の吾子呼び止めぬ

べったら市


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べつたら漬積むや行き交ふ声いろいろ
べつたら漬積みて夕風誘へり
べつたら漬積むや呼び声行き交ふて
べつたら漬つむや呼び声昂れる
呼び声の昂るべつたら市かな
呼び声にべつたら市の立ちにけり
べつたら市呼び声高く立ちにけり
べつたら市人呼ぶ声に立ちにけり
べつたら市立つや夕風昂れる
べつたら漬積むや人呼ぶ声高く
べつたら漬積むや人呼ぶ声通り
べったら漬積むや遠退く人の声
べったら漬積むや誘ふ風の声
べつたら漬積むや手触るる
べつたら漬積むや弓張月昇る
べつたら漬積むや月の暈
べつたら漬積むや行き交ふ人の声
夕風にべつたら市の香の増しぬ



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堆きべつたら漬に覗く顔


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浅草寺 菊供養 金竜の舞


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供養せし菊が香に立つ袖袂

観音に菊供養せし手の香る

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金竜を舞ひし法被の菊供養
金竜の銅鑼の音高し菊供養
金竜の銅鑼の音響く菊供養
金竜の銅鑼の音鈍し菊供養
金竜の鱗耀ふ菊供養
金竜の鱗のいろの菊供養
金竜の鱗に触れし菊供養
菊の香の雲水の手や菊供養
雲水の指匂ふなり菊供養
菊の香の手に渡さるる菊供養
雲水に菊が香に立つ菊供養
僧の手に菊が香に立つ菊供養
菊の香の指差し伸べぬ菊供養
渡す手も享くる手も菊匂ふなり
差し伸ぶる指匂ひ立つ菊供養
観音に合はす手香る菊供養
供養せし菊が香に立つ菊供養
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荷風忌の切戸に霜の別れかな

荷風忌の切戸に霜の名残かな

荷風忌の切戸に霜の名残あり

 *1

 墨堤に川竹絶えぬ荷風の忌

 墨堤に川竹淡し荷風の忌

 墨堤に川竹みづく荷風の忌

 墨堤に竹水浸きをり荷風の忌

荷風忌の墨堤に竹水漬きをり

墨堤に竹みづきをり荷風の忌

墨堤にみづく竹あり荷風の忌

 墨堤に竹の葉流る荷風の忌

 墨堤を竹の葉流る荷風の忌

 

*1:

867 川竹のつきぬながれをまたここに誰が堀りそめし玉の井の水     川竹の身とは遊女のあてどのない境涯を指す

868 川竹の絶えぬ流れをまたここに誰が汲み初めし玉の井の水

869 川竹のたへぬ流れをまたここに誰が堀り出でし玉の井の水

870 そのたびに洗ふと聞けば玉の井の濁らぬなさけ汲みてこそ見め

初雪の落葉松に翳おとすのみ

初雪の白樺に翳おとすのみ

初雪の落葉松に翳ありしのみ

ねんねこや頬ずりにほほ寄せ返す